アラベスクの脚が綺麗に高く上がらない理由.どこのストレッチをしたらいいの?〜体幹の重要性〜

こんにちは,踊る理学療法士のげーちゃんです!

バレエをやっていると,
アラベスクをもっと高くあげたい!
と思うことってありありますよね?

脚がスーっと上がって高い位置でキープできるアラベスク.
肩や腕の余計な力を入れずに
呼吸をするようにアラベスクをする様には憧れを感じます.

バレエに頻繁に登場する「アラベスク」.
今回は,このアラベスクに必要な柔軟性についてお話ししていきますね.

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アラベスクで脚が高く上がる理由

さっそく本題です.
アラベスクにはどこの柔軟性が必要だと思いますか?

アラベスクを高く上げるために,
脚を前後に開脚する「スプリッツ」のストレッチばかり行っていませんか?

では質問です!

脚が高く上がったアラベスクってどんなアラベスクのこと?

アラベスクの脚が高く上がっているかどうかを決める基準って,
高く上がった「足(トゥシューズの部分)」じゃないですか?

「アラベスクの時の股関節がすごい柔らかい!」
「腰が柔らかいからすごい反ってる!」
ではなく,
「足(トウシューズの部分)があんなに高く上がってる!!」
と感じている人が多いと思います.

ではアラベスクを高く上げる,
つまり,足(トゥシューズの部分)を高く上げる為には
どこの柔軟性が必要でしょう?

股関節の可動性

脚を後ろに上げる為には,
股関節を後ろに曲げる「股関節の伸展」の動きが必要です.

しかし,この股関節の伸展できる角度,
なんと15度しかありません!!!

まゆさん

15度!?
なんでアラベスクの時には,あんなに脚が上がるの?

バレエで忘れていけないのは「アンデオール」です.
【バレエ】アンデオール(ターンアウト)が出来ない理由

アンデオールの動き,股関節を開く「股関節の外旋運動」が伴うことで,
股関節を後ろに上げる動きを大きくすることができます!

でも,まだまだ足りません!!!
理由は,体幹の動きにあります.

ここがミソ!体幹の可動性

次の写真をよく見てみてください.

足もとはとても高く上がっていますが,
気にするのは上半身.
お尻と肩の間がくねっと曲がっていませんか?

アラベスクに重要なのは実はここ,「体幹」なんです!

体幹がくねっと曲がっていることで,
骨盤が前方に倒れ,
脚が後ろに高く上がりやすくなるんです!

しかし,
この体幹を後ろに反らす「体幹の伸展運動」ができる角度は30度

まゆさん

股関節の15度と体幹の30度.
合わせて45度しかないのになんで脚が上がるの?!

そうなんです.
アラベスクの時に必要な体幹の動きは,
後ろに反らす「体幹の伸展運動」だけではありません!

実は,
体幹を回す「体幹の回旋運動」と,
体幹を横に倒す「体幹の側屈運動」が加わることで
先ほどの写真のようにくねっと,
見かけ上で90度くらい体幹を曲げることが出来るんです!

(ちなみにこの体幹を回す「体幹の回旋運動」は左右40度ずつ,体幹を横に倒す「体幹の側屈運動」は50度ずつの可動性があります.)

忘れてはいけない軸足の股関節

そう,忘れてはいけない軸足の股関節について.
もう一度この写真を見てください.
「アラベスクの時は,体幹をクネっと曲げることで,
骨盤が前に倒れ,
脚が後ろに高く上がりやすくなる」

と説明しました.

この時に忘れてはいけないのが軸足の股関節.
骨盤が前に倒れることで,軸足の股関節は相対的に前に曲がっている状態になっていることに気付けますか?

この軸足の股関節が前に曲がっている状態とは
「軸足の股関節が屈曲している」状態.
しかも軸足の膝関節を伸ばしたままですから,
膝関節伸展位で股関節を屈曲した状態です!

膝を曲げた状態での股関節の屈曲可動性は120度程度ありますが,
このアラベスクの時のように
膝を伸ばした状態での股関節の屈曲可動性は80度程度しかありません!
(この違いには,脚にあるいくつかの筋肉が影響しています.)

つまり,アラベスクの時には後ろの脚だけではなく
軸足の股関節の柔軟性も意識する必要があるってことですね!

まとめ

アラベスクには
・上げる脚の股関節を後ろに曲げる「股関節の伸展
・体幹を後ろに反らす「体幹の伸展
・体幹を回す「体幹の回旋
・体幹を横に曲げる「体幹の側屈
・軸足の股関節を前に曲げる「膝関節伸展位での股関節の屈曲
これらの柔軟性が必要です!
沢山あって意識するのは大変かもしれませんが,
これらを個別に意識して柔軟性を高めると,
より綺麗な理想のアラベスクに近づけると思いますよ♪
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